美容師・アイリスト業界では、表向きは華やかに見えても、裏では「ブラックな労働環境」に悩む人が少なくありません。
「毎日12時間働いてるのに手取り16万円…」
「有給?聞いたことない」
「辞めたら訴えるって脅された」
こうした声は決して特別ではなく、多くの現場で同じような実態があるのが現状です。
しかし、求人票や面接の段階ではそのブラックさが見抜きにくく、「入社してから後悔した」というケースが後を絶ちません。
この記事では、ブラック企業の典型的な特徴から、求人票・面接での見分け方、ホワイトサロンの選び方までを完全解説。
今の職場に違和感がある方も、これから転職を考えている方も、この記事を通して「長く安心して働けるサロン選び」のヒントを得てください。
ブラックな美容室の特徴とは?

異常な長時間労働が常態化している
ブラックサロンの代表的な特徴のひとつが「拘束時間の長さ」。
朝の掃除から夜の閉店作業、さらにはミーティングやレッスンまで…気づけば1日12時間以上働いていることも珍しくありません。
「美容業界はそういうもの」と我慢している人も多いですが、法定労働時間(1日8時間)を大幅に超える状況が常態化しているのは明らかに異常です。
給与体系が不透明・最低賃金を下回る
「手取りが13万円」「基本給12万+歩合」といった給与体系も要注意。
一見、歩合があるから稼げそうに見えますが、アシスタントには歩合がほぼ付かない場合が多く、実質的に最低賃金を下回ることも。
また、社会保険に未加入だったり、手当が不明確だったりするサロンも要警戒です。
給与明細が毎月出ない、残業代の記載がないなど、「何に対していくらもらっているのか」がわからない状況はブラックの典型です。
有給・休日がとれない/休憩なし
「週1休みが当たり前」「お昼ご飯が食べられない」など、労働環境としての基本が整っていないのもブラックの証拠。
美容師は体力勝負の仕事ですが、休憩もなく何時間も立ちっぱなしで働くのは、身体にもメンタルにも悪影響を与えます。
また、有給休暇が存在しない・申請できない雰囲気もブラックの特徴。法律上、有給は労働者の権利であり、取れないのは違法行為に近いです。
精神的プレッシャー・パワハラがある
「先輩が暴言を吐く」「怒鳴る」「無視される」「ノルマに追い詰められる」などの精神的なプレッシャーが日常的にある場合も、典型的なブラック環境です。
中には、「辞めるなら違約金を払え」と言われたり、就業規則が一切開示されないような、法的にも問題のある運営をしているサロンもあります。
離職率が異常に高いサロン
最後に注目すべきは離職率の高さ。
1年以内にスタッフの大半が入れ替わっているような店舗は、何かしら働き続けられない理由があります。
「人が定着しない=働きにくい職場環境」である可能性が非常に高いです。
求人票でブラックサロンを見抜くチェックポイント

ブラックサロンは、求人票では“魅力的な言葉”で取り繕っていることが多いため、注意が必要です。以下のポイントに着目すれば、入社前に危険なサロンを見抜ける可能性がグッと上がります。
「未経験OK」「すぐデビュー可」をアピールしすぎている
「未経験歓迎!3ヶ月でスタイリストデビュー!」といった表現は一見魅力的に映りますが、教育体制が不十分なまま即戦力扱いされるリスクもあります。
実際には、技術が追いつかないうちから現場に立たされ、クレームの原因になったり、自信を失って辞めてしまうケースも。
また、「教育制度が充実!」と書かれていても、実態が「先輩に見て覚えろ」だったり、営業時間外の“自主練習”を強制されるようなサロンもあるため、具体的な教育内容が明記されているかは要チェックです。
「歩合制度あり」だけで、固定給の記載がない
歩合制度は成果主義の裏返しで、基本給が異常に低いケースがよくあります。
たとえば「歩合最大60%」と大きく書かれていても、実際には「売上70万円以上」などの条件がついており、到達できなければ手取り15万円前後にしかならないことも。
最低保証額・支給条件・平均支給額が書かれていない場合は、かなりグレーと考えて良いでしょう。
「社会保険完備」と書かれていない
「雇用保険・労災保険あり」とだけ書いてある場合、厚生年金や健康保険には加入していない可能性が高いです。
これは完全にブラックではないものの、社会保険に加入しないことで手取りが高く見えてしまうため、長期的にはデメリットになります。
正社員であれば社会保険完備は義務。明記がない場合は、面接で必ず確認するべきです。
休日・休暇制度が曖昧
「月6〜8日休み」「シフト制」といった記載で済ませている場合、実際は週1休み+休憩なしで拘束時間が長いというケースもあります。
特に注意したいのが、「年末年始休暇あり」「夏季休暇あり」などが書かれていない場合。
年間休日が少なすぎたり、有給制度が無かったりする場合は、働きながら体を壊してしまうリスクも高まります。
常に求人を出している
いつ見ても求人が出ているようなサロンは、離職率が高いか、人が定着しない何らかの理由がある可能性が高いです。
スタッフが短期間で辞めてしまうということは、それだけ「働きづらい」環境である可能性が高いため、慎重に判断しましょう。
面接で見抜くブラックサロンのサイン
求人票だけでは見抜けない“ブラック体質”は、面接やサロン見学の場でこそ見抜くチャンスがあります。以下のポイントに注目してチェックしてみてください。
面接での質問が一方的すぎる
ブラックサロンでは、こちらの希望や将来の働き方について話す機会が与えられず、「出勤は週何日できる?」「どれくらい売上立てられる?」といった数字だけを重視する傾向があります。
一方、ホワイトサロンであれば「どういう働き方をしたいか?」「今後どうなりたいか?」など、あなたのキャリアビジョンを一緒に考えてくれる姿勢があります。
面接が「圧迫面接」「確認だけ」で終わる場合は要注意です。
サロン見学の対応が雑、または案内がない
面接時に見学を申し出た際、「今は忙しいから無理」「また今度にして」と断られる場合は注意。
実際の職場環境を見せられない・見せたくない理由がある可能性があります。
また、サロン見学をしてもスタッフの挨拶がなかったり、空気がピリついているような雰囲気があれば、その空気感が日常かもしれません。
見学時は「スタッフの表情」「清潔感」「働き方(詰め込みすぎていないか)」をよく観察しましょう。
担当者の言うことが曖昧
給与や休み、保険などの条件について聞いたときに、「入ってみないとわからない」「うちはゆるくやってるから」など、曖昧な返答が多い場合は不安要素です。
ブラックサロンほど「細かいことは気にするな」という空気が強く、条件を曖昧にすることで、後から都合よく変更してくる可能性もあります。
雇用契約書や就業条件明示書の提示がなければ、絶対にその場で即決してはいけません。
働いているスタッフが疲れて見える
見学中に、スタッフが明らかに疲れている、覇気がない、笑顔がないなどの様子が見られた場合、長時間労働・人間関係・プレッシャーなどの問題を抱えている可能性があります。
「うちはみんな頑張ってるよ」「気合いと根性があれば大丈夫」といった精神論を持ち出してくるサロンも要注意。
働く環境よりも売上や数字ばかりを重視している場合が多いです。
ブラックから抜け出したい人への対処法

もし今あなたがブラックな環境で働いていて、「でも今すぐ辞めるのは不安…」「次が見つかるかわからない」と悩んでいるなら、焦らずに準備しながら抜け出す方法を選びましょう。
まずは「転職活動」を始めてみる
今すぐ辞めなくても、転職サイトに登録して求人をチェックすることは、今日からでも始められます。
働きながらでも情報収集は可能ですし、「他のサロンってこんな条件なんだ」と知るだけでも、精神的にラクになります。
✅おすすめ転職サイトは以下の記事で詳しく紹介しています
キャリアの棚卸しをしてみる
いきなり辞める前に、「自分はどんな働き方が理想か?」「自分の得意な技術・強みは何か?」を一度整理してみましょう。
この作業をしておくと、「どのサロンに応募すべきか」「何を優先するべきか」が明確になり、ブレない判断ができます。
紙に書き出すのもおすすめです。
フリーランスや委託の選択肢も考える
正社員としての転職に限らず、「業務委託で自由に働く」「フリーランス美容師として独立する」など、ブラック体質から抜け出す手段は複数あります。
特に以下のような方は、独立の道も選択肢に入れてみましょう。
- 自分の時間を大事にしたい
- 売上に見合った報酬を得たい
- 技術に自信がある・リピートが取れる
→ 関連記事:美容師がフリーランスになるメリット・デメリット【完全ガイド】
辞めづらいなら退職代行も選択肢
「辞めたいけど言い出せない」「辞めさせてくれない」などの状況なら、退職代行の活用も一つの方法です。
美容業界でも利用者は年々増えており、無理に我慢を続けて心身を壊すよりは、プロに頼ってスパッと辞める方が、結果的に良い転機になることもあります。
ホワイトサロンを見極める5つの視点
「次こそはホワイトな職場で働きたい」と思っても、面接時や求人票だけでは判断が難しいもの。ここでは、ブラックな環境を避けるためにチェックすべき“ホワイトサロン”の特徴を5つ紹介します。
- 給与体系が明確で納得感がある 固定給なのか歩合制なのか、インセンティブの条件などが明確に提示されているかを確認しましょう。面接時に「稼げるかはあなた次第」と曖昧な返答をするサロンは要注意。
- 労働時間・休日が守られている 営業時間内での退勤が当たり前か、有給や希望休がしっかり取れるかをチェック。Googleレビューや転職サイトの口コミから、実際の勤務状況をリサーチするのも効果的です。
- 離職率が低い or スタッフの在籍年数が長い 在籍3年以上のスタッフが多いサロンは、働きやすい環境である可能性が高いです。逆に、頻繁にスタッフが入れ替わっているサロンは要注意。
- 教育体制やキャリアプランが整っている アシスタント時代から技術指導やカリキュラムが組まれているか、デビュー後のフォロー体制があるかは重要ポイント。長く安心して働ける環境か見極めましょう。
- 面接時の対応や社風がオープン 質問に丁寧に答えてくれるか、雰囲気が一方的でないかなど、面接時の空気感も重要です。「なんとなく違和感を感じる」という直感も大事にしましょう。
美容師におすすめの転職サイト【厳選5選】
ブラックな環境から抜け出したい、自分に合った働き方を見つけたい――。そんな美容師の方に向けて、安心して使える転職サイトを5つ厳選して紹介します。
① ビューティーミライ(BeautyMirai)
美容業界に特化したafb最大規模の転職サイト。サロンの内部情報や雰囲気も分かりやすく、ブラック回避の強い味方。報酬型アフィリエイトにも対応しているので、美容師ブロガーにもおすすめ。
\美容師・アイリスト特化型で「非公開求人」も豊富!/② リジョブ(Rejob)
美容・リラク・整体など、幅広い求人を掲載。こだわり検索が充実していて「週休2日」「時短勤務OK」など自分に合った条件で探しやすい。
③ ホットペッパービューティーワーク
サロン予約の最大手「ホットペッパー」が運営。信頼性が高く、実際に施術を受けた顧客評価から職場の雰囲気を予測できるメリットあり。
④ 美プロ(Bipro)
女性の転職に特化した美容系求人サイト。育児との両立支援やブランクOKの求人も豊富で、30代以降にも強い。
⑤ サロンdeジョブ
完全美容業界専門の求人サイトで、地方エリアにも強い。正社員・業務委託・パートなど雇用形態の選択肢が広く、自由な働き方を叶えたい人にぴったり。
まとめ:自分を大切にできる環境を選ぼう
美容師という仕事は、お客様を笑顔にする素晴らしい仕事です。しかし、あなた自身が心身ともにすり減ってしまっては意味がありません。
ブラックな職場に悩んでいるなら、まずは一歩踏み出して「自分を大切にできる環境」への転職を検討してみてください。働く環境を変えることは、人生を前向きに動かす最も効果的な手段の一つです。
まずは今回ご紹介したような信頼できる転職サイトを活用し、後悔しない選択肢を見つけましょう。
あなたらしく働ける未来は、きっと見つかります。
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