美容師が個人サロンを開業するまでにやるべき7つの準備|失敗しない独立のコツも解説

美容師の転職

「いつかは自分のサロンを持ちたい」

美容師であれば一度は考える“独立”という選択。

しかし、実際に開業するには資金・手続き・物件・集客など、準備するべきことが山ほどあります。準備不足のまま勢いで独立してしまうと「こんなはずじゃなかった…」と後悔することにも。

この記事では、現役でサロン経営をしている美容師の視点から、開業前に絶対にやっておくべき準備と、開業で失敗しないためのコツをわかりやすく解説します。


個人サロン開業の前に考えるべきこと

なぜ独立したいのか?目的を明確にする

独立はゴールではなく、スタートです。

「人間関係に疲れた」「売上をすべて自分のものにしたい」といった“逃げ”の独立では、うまくいかないケースが多いです。

・どんな働き方をしたいのか

・どんなお客様に来てほしいのか

・どんなサロンにしたいのか

こうした目的を明確にすることが、開業後の方向性や戦略に直結します。


自分の強み・弱みを整理する

あなたが提供できる価値は何でしょうか?

カット?接客?メンズ特化?まつげパーマや眉毛?

「自分の強み=集客の軸」になります。逆に、数字管理やSNS運用が苦手なら、あらかじめ外注やサポートを検討しておくのも戦略のひとつ。


独立後のビジョンとライフスタイル

・一人で自由にやりたいのか

・スタッフを雇ってチームで運営したいのか

・子育てやライフイベントとのバランスをとりたいのか

ビジョンがあると「どんな店舗をどこに出すか」「どんな働き方を選ぶか」がブレません。


開業までにやるべき7つの準備

1. 資金計画と自己資金の準備

美容室開業には、最低でも800万円〜1500万円程度の初期費用がかかります。

・物件契約費用(保証金・礼金など)

・内装工事費

・備品・商材購入費

・広告・集客費

・数ヶ月分の運転資金

日本政策金融公庫や信用金庫からの創業融資を検討する場合でも、自己資金は最低30%程度必要とされることが多いです。


2. コンセプト設計とターゲットの明確化

「なんとなくおしゃれなサロン」では集客が難しい時代。

「誰に、どんな価値を提供するサロンなのか?」を明確にすることが大切です。

例:

・子育てママ向けの時短特化サロン

・30代メンズ向けの身だしなみ専門サロン

・アイラッシュ×眉毛×ネイルのトータルサロン


3. 物件選び(立地・内装・家賃など)

開業場所はサロンの成功を左右します。

駅近・人通りの多い場所は理想ですが、家賃が高くなりすぎないように注意。

また、美容所登録できる物件であることや、保健所の基準をクリアする構造であるかも要チェックです。


4. 必要な届け出・手続き(保健所、税務署など)

美容師がサロンを開業する際に必要な届け出は主に以下の通りです。

  • 保健所への「美容所開設届」
  • 税務署への「開業届」
  • 個人事業主としての青色申告の申請(節税のためにおすすめ)

タイミングによっては事前申請が必要な場合もあるので、余裕を持って準備しましょう。


5. サロンで使う商材・機材の選定

シャンプー台やセット面、ワゴン、照明、商材など、サロンのコンセプトや客層に合わせて準備が必要です。

最初からすべて揃えるのではなく、**「最低限必要なもの」から揃えて、後で買い足す」**のがコツです。


6. 集客の仕組みを整えておく(SNS・Googleなど)

オープンしてから慌てて集客を始めても遅いです。

インスタ・X(旧Twitter)・Googleビジネスプロフィールなど、オープン前からSNSアカウントを育てておくと安心です。

  • プレオープンの告知
  • 物件の進捗や内装の様子を投稿
  • オープン記念キャンペーンの告知

すべて“事前仕込み”が大事です。


7. スタッフ採用 or 一人運営の判断

「最初は一人でやる」のも良い選択ですが、業務委託やパートなど柔軟な人材確保を検討しておくと安心です。

求人サイトやInstagram、知人の紹介など、開業前から採用ルートを考えておきましょう。


開業にかかるリアルな費用と内訳

開業費用の平均目安は以下の通りです(1人サロンの場合)。

  • 物件取得費(保証金・礼金・仲介料など):200万〜400万円 駅近や商業エリアの場合はさらに高額になることもあります。
  • 内装・設備工事費:300万〜700万円 セット面の数やシャンプー台の種類、空調や照明などのこだわりにより費用が大きく変わります。
  • 美容機器・什器購入費:100万〜200万円 シャンプー台、ミラー、ワゴン、チェアなど必要なものを揃える費用です。
  • 広告宣伝費(開業時の集客):30万〜100万円 チラシ、Web広告、看板、SNS運用などにかかる費用。
  • 運転資金(数ヶ月分の家賃・人件費など):100万〜200万円 開業してすぐに黒字になるとは限らないため、余裕を持った資金確保が大切です。
  • その他:法人設立費用、備品購入費、研修費用など:70万〜100万円

→ これらをすべて含めると、最低でも800万円、こだわりや規模によっては1500万円を超えるケースも珍しくありません

無理のない資金計画を立てましょう。


失敗しない個人サロン経営のコツ

  • 固定費を抑える(立地・家賃・広告費)
  • 少ないメニューで回せる設計にする
  • リピーター施策を徹底する(次回予約・LINE登録)
  • 売上だけでなく「利益」にこだわる

「長く続ける」ためには、スモールスタート&黒字経営がカギです。


実体験|開業して良かったこと・大変だったこと

僕が実際にサロンを開業したのは、フリーランス歴4年目のとき。

小さなテナント物件を見つけて、念願の「自分の城」を持つことにしました。

ただ、正直なところ開業までの道のりは甘くなかったです。思ったよりもお金が飛んでいって、開業直前は手元に50万円も残ってなかったと思います(笑)。

でも、それでも開業して良かったと心から思えるのは、自分の理想の空間でお客様に集中できるようになったから。売上も半年で安定してきて、スタッフも徐々に増やせるように。

これから開業する人には、「お金は想像の1.5倍かかる」って覚悟しておいた方がいいと伝えたいです。最初から余裕のある資金計画を立てておくと、心にもゆとりができると思います。


まとめ|成功するサロン開業の第一歩は「準備力」

個人サロンの開業は夢ではなく「戦略」です。

準備さえしっかりしていれば、誰でも独立を成功させることができます。

焦らず、でも確実に。

あなたの理想のサロンをカタチにしましょう!

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