美容室やアイラッシュサロンを開業したいと思っても、最初にぶつかるのが「いくらかかるの?」「どんな準備が必要?」という壁。この記事では、美容業の開業を目指す方に向けて、必要な費用とその内訳、資金調達方法、使える補助金制度までを徹底的に解説します。800〜1500万円のリアルな数字とともに、あなたの開業を成功に導くノウハウを詰め込みました。
美容室・サロン開業の費用は800〜1500万円が目安

開業費用の平均相場は約800万〜1500万円程度。小規模サロンや居抜き物件を活用すれば800万円前後でも開業可能ですが、こだわりの内装・好立地・人材採用まで含めると1000万円〜1500万円程度になるのが一般的です。
費用内訳|実例ベースでの項目別まとめ
費目 | 金額目安 | 内容 |
---|---|---|
物件取得費 | 約100〜300万円 | 敷金・礼金・保証金・仲介手数料など。テナント家賃の6〜12ヶ月分が目安。 |
内装・設備工事費 | 約300〜600万円 | 壁・床・配線・照明・水回り・空調など。理想の店舗づくりには大きなウエイト。 |
美容機器・セット面など | 約100〜200万円 | シャンプー台、セット椅子、鏡、ワゴン、消毒器など。リース活用もあり。 |
材料・消耗品費 | 約30〜70万円 | シャンプー、カラー剤、タオル、ペーパー類などの初期在庫。 |
広告・販促費 | 約20〜50万円 | ホットペッパー、Instagram広告、チラシ、看板など。 |
採用・人件費(初期) | 約50〜100万円 | スタッフを雇用する場合の数ヶ月分の人件費。 |
開業準備費 | 約50〜100万円 | 会計ソフト、保険、ユニフォーム、名刺、登記費など。 |
運転資金(3ヶ月分) | 約100〜200万円 | 家賃・光熱費・材料費・人件費など、収支が安定するまでの予備費用。 |
合計:800〜1500万円前後
費用を抑えるコツと節約ポイント
・居抜き物件の活用
前のテナントの内装・設備をそのまま使えば、数百万円の節約になる場合もあります。
・コンパクトサロンで開業
セット面1〜2台の小規模サロンや、マンションサロンなどで最小限からスタート。
・広告費を削る工夫
Instagram・Threads・LINEなど無料のSNS活用で集客コストを抑える。
・機器は中古やリースで
新品でなくても十分に使える美容機器を選定することで、初期費用が軽減。
資金調達方法|どうやって800〜1500万円を用意する?

日本政策金融公庫(公庫)の創業融資
- 自己資金が100〜300万円あれば利用可能
- 無担保・無保証で借りられる「新創業融資制度」がおすすめ
- 金利:年1.5〜2.5%程度(固定)
- 返済期間:5〜10年
✅ 美容師・アイリストの経験年数、事業計画書の完成度、自己資金比率が審査で重要。
→ 実績がある人はかなり通りやすい!
信用金庫・地方銀行の制度融資(保証協会付き)
- 開業エリアにある金融機関と相談し、自治体の制度融資を使う
- 保証協会を通すため少し時間がかかるが、公庫より高額の借入も可能
- 地元に密着した支援が受けられる
✅ 賃貸契約済みで、スタッフ採用・2店舗目展開などの具体的計画がある人向け。
家族・親戚からの出資、共同経営
- 配偶者と共同で開業する場合や、家族からの借入
- 金利不要のケースもあり、運転資金確保にも安心
活用できる補助金・助成金
小規模事業者持続化補助金(最大50〜200万円)
- 広告費、ホームページ制作費、備品購入などが補助対象
- 採択率は高くないが、通ればかなりありがたい制度
✅ サロンのコンセプトや地域性を活かした事業計画書がカギ。
ものづくり補助金(最大1000万円)
- ITや革新性がある取り組みに対して補助
- 高額支援だが審査が非常に厳しい
✅ 美容×テクノロジー(例:ヘッドスパ×AI診断など)の要素がある場合に検討。
自治体独自の助成金
各自治体の商工会や創業センターで相談可能
例:東京都・大阪府・兵庫県などで創業支援金や家賃補助
開業タイプ別|必要資金シミュレーション例
開業タイプ | 想定費用 | 特徴 |
---|---|---|
居抜き物件 × 1人開業 | 約800万円 | 内装費を抑え、広告も自力で。最も現実的なミニマム開業。 |
駅近物件 × 正社員採用 | 約1000〜1200万円 | 初月から人件費がかかるが、早期に売上拡大が見込める。 |
内装フルオーダー × 高単価サロン | 約1300〜1500万円 | 隠れ家・高級感などを重視するならこの規模感が必要。 |
▶ フリーランス美容師としての独立開業についてはこちら
▶ 安定して月収50万円以上を稼ぐ働き方はこちらで解説
よくある失敗例と注意点
・資金が尽きて黒字になる前に閉店
→ 最初の3〜6ヶ月の運転資金は必須
・過剰な内装投資で回収が困難に
→ 理想の店舗像と採算ラインを明確に
・広告費をケチりすぎて認知が広がらない
→最初の数ヶ月は広告への投資も必要
まとめ|開業は「投資と回収」のバランスが命
美容室・サロンの開業は決して簡単ではありませんが、事前の資金計画と準備次第で成功率は大きく変わります。費用をかけすぎず、でもケチりすぎない。あなたの理想と売上を両立する設計をすることが大切です。
まずは「どんなサロンを作りたいか」を明確にし、それに応じた予算組みと資金調達を進めていきましょう。
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