電子カルテへの移行を始めたものの、紙と電子が混在する期間をどう管理すればいいか迷っているなら、最初に決めるべきは「どちらに何を記録するか」の役割分担です。ルールを後回しにすると、施術直前に記録が見つからない・どちらを信じればいいか分からないという事態が起きます。
なぜ併用期間にルールが必要なのか
紙と電子を同時に使う状態は、移行の途中段階として避けられないことが多いです。既存顧客の分は紙に残っていて、新規顧客の分だけ電子で作り始める、というパターンが典型的です。
問題は、「どちらを見れば正しい情報があるか」が人によって変わってしまうことです。施術者がA顧客の記録を電子で探して見つからず、紙を探して発見する、という二度手間は、施術前の限られた時間に集中力を削ります。担当変更時にはさらにリスクが高まります。
ルールを決める目的は効率だけではありません。アレルギー反応や施術禁忌の情報が紙だけに残っていて電子カルテ側に転記されていない、という状況はお客様の安全にかかわる問題になり得ます。形式的な移行宣言より、記録の所在を全員が迷わず把握できる状態を作ることが優先されます。
「どちらが正」かを先に宣言する
併用期間のルール設計で最初にやることは、「最新の施術記録の正本はどちらか」を決めて明文化することです。「電子カルテに記録したものが正本で、紙は参照のみ」と決めるだけで、確認順序の迷いはなくなります。逆に決めた場合も同様です。ここが曖昧なまま運用すると、スタッフごとに異なる判断が生まれます。
併用期間の長さをいつまでと決めるか
併用期間に期限を設けないと、結果として紙運用が続くだけです。「移行が完了したら終わり」では期限にならないため、具体的な日付かイベントをトリガーにする方が運用しやすいです。
期限を決める3つの基準
一つ目は来店サイクルを基準にする方法です。まつげサロンの場合、定期来店サイクルは一般的に3〜6週間程度です。「全顧客が次回来店した時点で電子カルテを作成し終わる」を目標にすると、サイクルに応じた期限が設定できます。
二つ目は日付固定です。「移行開始から○週間後の△月△日をもって紙への新規記録を停止する」と決めると、スタッフ全員が同じゴールを共有できます。この場合、日付までに来店がなかった顧客の電子カルテは、次回来店時に作成するルールをセットで決めておく必要があります。
三つ目は新規来店のみを先行させる方法です。新規顧客は最初から電子カルテのみ、既存顧客は次回来店時に電子カルテを作成する、と分けると段階的に移行できます。既存顧客が多い店舗では現実的な選択肢です。
紙カルテのどの情報を電子へ転記するか
既存の紙カルテ全件を一括で電子化しようとすると、膨大な手間が発生して移行が止まります。転記の優先度を分けることが現実的です。
まず移行の対象として優先すべきなのは、アレルギー歴・施術禁忌・体質の注意事項など安全に直結する情報です。次に、直近の施術記録(本数・カール・太さ・使用グルーなど)です。これがないと次回施術の判断ができません。一方で、数年前の初回カウンセリング内容や、既に状況が変わっている可能性のある古い記録は、転記の優先度を下げても問題ないことが多いです。
転記のタイミングは「来店時」に集約する
全件を移行作業の時間として別途確保するより、来店したお客様の分をその場で電子カルテに起こす方がミスが少ないです。来店時なら「現在の状態」を確認しながら記録できるため、古い情報をそのまま転記するより精度が上がります。転記者が施術者本人であれば、抜け漏れにも気づきやすいです。
この記事はLASH KARTEを運営する株式会社07が作成しています。関連する機能や使い方は、LASH KARTEの詳細を見るから確認できます。
LASH KARTEで併用期間の運用を設計する際の注意点
LASH KARTEは顧客情報・施術履歴・写真・EyeMapをクラウド上で管理できます。スマホとPCの両方から同じカルテを参照できるため、施術中の確認と施術後の記録入力を場所を選ばず行えます。
ただし、紙カルテの内容を自動で取り込む機能はありません。既存の紙カルテから電子カルテへの移行は、必要な情報を手入力するかたちが基本です。顧客CSV形式での取り込みに対応していますが、写真・EyeMap・同意書などを含む完全移行とは別の操作です。取り込みの詳細は公式の案内を確認してください。
Freeプランで確認しておくべき制限
LASH KARTEのFreeプランは月額0円・期間制限なしで利用できますが、登録できる顧客数は50人、写真は100枚、添付ファイルは1GBという上限があります。既存顧客が50人を超えるサロンで全員分の電子カルテを作成する場合、Freeプランの範囲で収まるかどうかを移行前に確認しておく必要があります。また、Freeは1ユーザーのため、複数スタッフで記録を共有したい場合は対応プランの確認が必要です。
電子への記録一本化を判断するチェックリスト
「そろそろ紙をやめていいか」を判断するとき、感覚ではなく状態で確認する方が現場では扱いやすいです。以下は判断の目安として使える確認項目です。
まず、電子カルテが作成済みの顧客に対して、施術前に紙を見る必要がなくなっているか。次に、アレルギー・禁忌情報が電子カルテ側に転記されている顧客の割合が全体の何割か。さらに、スタッフ全員が電子カルテの操作(カルテ確認・新規作成・写真添付)を単独でできる状態になっているか。これら三点が「はい」になった段階が、電子一本化の現実的なタイミングです。
逆に「念のため紙も残しておこう」という運用を続けると、新しい記録が再び紙に書かれるようになり、移行が形骸化します。一本化のタイミングを宣言した後は、紙への追記を明示的に止めることが必要です。
よくある質問
Q. 移行期間中、古い紙カルテは捨ててもよいですか?
美容サービスに関する記録の保管期間に関して法令上の明確な定めはありませんが、アレルギー反応や施術トラブルに備えた記録の保管は重要です。電子カルテへの転記が完了した顧客の紙カルテについても、すぐに廃棄するより一定期間は手元に保管しておく方が安心です。廃棄する際は個人情報の取り扱いに沿ったシュレッダー処理などが必要です。廃棄基準は自店のプライバシーポリシーや関係法令を確認したうえで判断してください。
Q. スタッフが複数いる場合、誰が転記作業を担当すべきですか?
担当者を固定して一括転記する方法と、来店時に担当施術者が転記する方法のどちらかが多く選ばれます。一括転記は進捗を把握しやすい反面、施術者以外が記録を解読する手間と誤読のリスクがあります。来店時転記は手間を分散できる一方、来店が遅い顧客の分は移行期間が長くなります。サロンの顧客数と施術者のスケジュールに合わせて決めてください。いずれの場合も転記後にもう一人が確認するダブルチェックがあると安心です。
Q. 電子カルテへの移行中に来店した顧客の情報はどうすればいいですか?
電子カルテがまだ作成されていない顧客が来店した場合は、その来店を機に電子カルテを新規作成し、過去の紙カルテから必要な情報を転記するのが現実的です。紙に新規記録を追記した後で電子に移すより、その場で電子カルテに記録する方が二重作業を防げます。施術前のカウンセリング時間に作成することで、お客様に確認しながら正確な情報を入力できます。
Q. LASH KARTEのFreeプランで顧客50人の上限を超えたときはどうなりますか?
Freeプランの顧客登録上限は50人です。50人を超えた場合の対応については、公式サイトや有料プランの案内を確認してください。移行前に現在の顧客数を把握したうえで、Freeで対応できる範囲かどうかを判断することをおすすめします。登録数が多いサロンは、移行開始前にプランの詳細を確認しておくと計画が立てやすいです。未確認の上限超過時の動作を前提に計画を組まないよう注意してください。
まとめ
紙と電子の併用期間を安全に運用するために、最初に決めるべきことは3つです。「どちらが正本か」の宣言、「いつまで併用するか」の期限設定、「何を転記するか」の優先順位です。
転記の優先順位はアレルギー・禁忌情報が最上位で、直近の施術記録がその次です。転記のタイミングは来店時に集約すると現場の負担が分散します。LASH KARTEのFreeプランを使う場合は、顧客50人・写真100枚の上限を移行前に確認しておいてください。複数スタッフで共有したい場合は対応プランの確認が別途必要です。
電子一本化の判断は、「紙を見なくても施術できているか」「全員が操作できるか」「安全情報の転記が完了しているか」の三点で確認する。ここをクリアしたら、紙への追記を止める宣言を明確に行うことで、移行を完結させられます。
LASH KARTEのFreeから試す
Web・iPhoneのFreeは正式公開済みです。月額0円・期間制限なしで、1店舗・1ユーザー、顧客50人・写真100枚・添付1GBまで利用できます。容量や機能がすべて無制限という意味ではありません。最新の利用条件は公式サイトをご確認ください。
アプリの入手とサービスの利用開始は別です。アカウント登録・メール確認・店舗設定が必要です。

コメント